
第八章 プロへ挑め 二話
「ねえ皆。いつ練習する? 私は出来る事なら、今からしたいんだけど」
「あっ、私も賛成です。クリプバに参加するなら、一分一秒でも時間が惜しいですから」
呑気な表情で、人差し指でボールを回しながら自分の意見を口にする理亜。
加奈もやる気に満ちているかの様な、熱意を感じる。
「なら決まりだな。早速体育センターに行って練習だ」
「「おー!」」
豪真が意気込んでそう言うと、情意投合する理亜たち。
そして、一行はユニフォームに着替える。
その間、何故か豪真は車に先に戻り、ある所に電話をしていた。
理亜たちは砂川市立体育館に戻り、早速コートに行く。
すると、白と青のユニフォームを着ていた女性の人たちが、先にバスケットをしていた。
しかも、練習を見ていても、プレーに無駄な動きがなく、キレのあるドリブルやパス、シュートをしていた。
「先約が居るね」
「ええ。半面を使いますか?」
智古が何気なくそう言うと、高貴が使っていない半面のコートに目を向ける。
「いや。今回も練習試合をしてもらう。対戦相手はあの人たちだ」
豪真が少し前に出て、先にバスケをしていた選手たちを指さす。
「うー。緊張します」
「大丈夫だよ加奈ちゃん。さっき私と対戦していた時見たいに、あの凄いパスををすれば、天下無敵だよ」
顔に力を入れて緊張する加奈に、満面の笑みでフォローする理亜。
「そんな甘いわけないだろ。てか気づいてないのか?」
「え? 何が?」
「見てみろよ。対戦相手」
奏根が少しげんなりしながらそう言うと、理亜は先にバスケをしている選手たちを凝視する。
「凄いうまいよね。それが何か?」
キョトンとした顔で理亜がそう言うと、どこからか分からないが、奏根がハリセンを取り出し、理亜の頭をシバく。
「いた! 何すんのさあ?」
イタタタ、みたいな表情で訝しい目を奏根に向ける理亜。
「お前はバスケ以外からっきしなのか? 今から対戦する相手は全員プロだぞ」
「え! プロ⁉」
呆れながらそう口にする奏根の言葉に驚愕する理亜。

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