
第九章 実力差 五話
難なく加奈のパスを受け取った奏根。
すると、すぐに加奈がフリースローラインにまで走りこむ。
奏根はパスを貰った瞬間、すぐに加奈にボールをパスした。
安間選手が後を追ってくる。
加奈の前で立ちはだかるのはパレイ選手。
高貴がパレイ選手にスクリーンをかけようとするが、パレイ選手はびくともしなかった。
加奈はそんな中、マッチアップするパレイ選手に対し、レッグスルーで右から抜けようとした。
パレイ選手はその動きに合わせ、右サイドを防ぐが、すぐに加奈はバックチェンジで左から抜けようとする。
フェイクを混ぜてからのバックチェンジに、左に移動しようとした時には、高貴が足腰に力を入れ、全力でスクリーンをパレイ選手に仕掛けていた。
なんと、パワー負けしなかった高貴に対し、選手一同は驚きを隠しきれなかった。
だが、パレイ選手は身体を捻り、スクリーンアウトで、高貴からディフェンスを外す。
柔軟な対応に加奈と高貴は驚くが、加奈は構わず、レイアップでシュートをしようとする。
パレイ選手もブロックしようと、高く飛ぶ。
加奈の上には、既にパレイ選手の大きな手が立ち塞がっていた。
このままブロックされるのか、と思った矢先、加奈は機転を利かせ、すぐ近くにいた高貴にパスを出す。
高貴は難なく受け取り、すぐさまゴール下からシュートを決める。
「いいぞいいぞ。ナイスだ」
豪真は拍手をし、微笑みながら二人を称賛する。
加奈と高貴が笑顔でハイタッチして喜びを分かち合う。
点数は六対五で安間選手たちが優勢。
すぐに、自分のコートに戻った理亜たち。
安間選手がボールをドリブルでゆっくりと運んでくる。
妙な不気味さを感じる加奈。
加奈はセンターサークルで待ち構えていると、チェンジオブペースで緩急をつけてくる安間選手。


コメント