
第十章 強者から 三話
加奈がドリブルで安間選手に向かっていく。
そこで、理亜が平下選手とマッチアップする前に理亜にボールをパスする。
理亜がパスを貰った瞬間、一気にトップギアを入れて、ゴールに向かう。
平下選手が待ち構える。
理亜は、素早いフロントチェンジからレッグス―をすると、スリーポイントラインからシュートする。
平下選手も飛ぶ。
だが、理亜の状態が徐々に後ろに下がっていく。
スリーポイントのフェイダウェイシュート。
まさかと思ったアンテロープスの選手たち。
そのシュートはまるでリングのネットに吸い込まれるような感じで、見事入った。
「よっし!」
豪真は熱血監督見たいなノリでガッツポーズをする。
理亜は奏根以外に「ナイスシュート」と言われ称賛される。
奏根はと言うと、何故か理亜に向かってシャドーボクシングを始めだす。
それを見た理亜はしかめっ面で大口を開けていた。
十一対十になり追いついてきた理亜たち。
しかし、まだアンテロープスの選手たちは力を温存していた事を、この時の理亜たちは知らなかった。
安間選手がゆっくりとドリブルをしてくる。
そして、加奈とマッチアップする前に安間選手は平下選手にボールをパスする。
すぐに理亜が平下選手の元に近付き、ディフェンスの体制になる。
平下選手はまず、レッグスルーをした後、ダブルバックチェンジをすると、なんと、理亜と同じくスリーポイントラインからシュートを打つ。
理亜はジャンプしブロックしようとするが、平下選手の身体が徐々に後ろに下がる。
スリーポイントラインからフェイダウェイシュート。
理亜と全く同じシュートを平下選手はしてきたのだ。
綺麗なアーチを描きながら、ネットをくぐるボール。
見事に決まり、点数は十四対十となってしまう。
「さすがプロ。スリーポイントのフェイダウェイシュートぐらい簡単にやってのけるなんて」
「くそ。あれぐらい私にも出来るってか」
智古が圧巻する見たいに称賛すると、奏根が眉を顰めて悔しさを口にする。


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