
第十一章 謀略・仲間・友情 第五話
「ねえ、ねえ。お母さんて豪真さんの事」
「あっ、それ僕も考えてるよ」
理亜は明人に耳打ちすると、明人は何かを察っした見たいな表情になる。
すると、理亜と明人は少し意地悪な笑みで、にししし、見たいな表情で笑い出す。
「どうしたの? 変な笑い方して」
「「ううん。何でもないよ」」
郁美が首を傾げると、理亜と明人はぎこちない表情で笑う。
「ねえ豪真さん。実はお母さん、今独身なんだ」
何故かスイッチを切り替えたみたいにニヤニヤしながら豪真にそう言う理亜。
「そうなのか? てっきり単身赴任で旦那が家に居ない物かと思ったが」
豪真がお米を箸ですくいながら意外そうな表情になる。
「夫は二年前、不慮の事故で亡くなったんです。以来、私がシングルマザ―としてこの子たちを養ってるんです」
「そうだったのか。所で郁美さんは再婚なされたいのか?」
郁美が切なくなりながらそう言うと、豪真は偲ばれる思いでそう聞く。
「そうですね。良い人が居れば、もう一度チャレンジしたいですね」
郁美は頬を少し紅潮させながらどこか恥ずかしがっていた。
「ほう。なるほど」
豪真は素っ頓狂な表情でそう言うと、理亜はどこか不機嫌になり、豪真の足の弁慶の泣き所を蹴る。
「いた!」
豪真は飛び跳ねるように痛がると、三人のどっちが蹴ったのかは一目瞭然だった。
理亜が眉を顰めながら、豪真に何度も、顔を横にいる郁美にブンブン向ける。
豪真は何の事か分からず動揺するぐらいしか出来なかった。
「あのう。豪真さん。もし良ければ、これからも母と会ってくれませんか?」
そこで、明人が機転を利かせ、今すぐ豪真と郁美をくっつけようとするのではなく、時間をかけて交際させようと計画を立てる。
温厚そうな表情の明人の顔を見て、豪真は「もちろんだ。食わせてやると約束したからな」と自信満々に答える。
すると、理亜と明人はうなだれる様に大きな溜息を吐く。
郁美はと言うと、少し距離が狭まった事に満足したのか、えらく上機嫌だった。
豪真は鈍感で恋愛下手だと言う事は本人には自覚はなく、ただ、この家族は俺が守る、見たいな意気込みで誇らしげな表情しかしなかった。
こうして、食事は終わり、豪真は理亜たちを自宅まで車で送っていった。


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