
第十二章 波乱か? 一話
そして、クリプバ開催当日。
理亜は気合の入った顔で目を覚ます。
「よし」
声に出し、起きて、支度を済ませてからまず学校に行く。
クリプバは夜からなので、平日の月曜日は普通に学校に行くのだ。
文音が理亜の家の前で待っており、二人は仲良く学校に行く。
そして、学校が終わり、理亜は校門前で待っていた豪真の車に乗り込んだ。
そこにはメンバー全員が居て、準備万端と言った所だった。
そのまま一旦、砂川市立体育館に行って、最終調整を行う。
パスやドリブル、シュートのフォーム、フォーメーションなどの確認。
少しだけ練習し、終わると軽めの軽食を食べる理亜たち。
この日の献立はカロリーメイトとポカリだった。
あまり食べすぎると、試合中、嘔吐する可能性もあるからだ。
そして、食べ終え、ミーティングをし、試合会場に向かう。
バンの中で、理亜たちは楽しく談笑したり、各々が好きな事をやっていた。
試合前で緊張してるかと思いきや、そんな事はない。
打ち解けあえる仲間がいてこそだった。
高貴はスマートフォンでバラエティー番組を見ていた。
お笑い芸人の二人が上半身裸になり、両方の乳首にクロスピンを挟み、糸でクロスピンを結ぶ。
二人のお笑い芸人が、互いに乳首に挟まれたクロスピン、計四本で糸を結び、乳首に挟まれたクロスピンだけで引っ張り合う。
痛い表情をしたら負けと言うゲームだ。
お笑い芸人の二人は、互いに痛みを堪えながら、ぎこちない笑みで耐える。
そんな二人を見て高貴は「まあ」と頬を紅潮させながら食いついていた。
加奈はスマートフォンで小説を書いていたりなどして時間を有意義に過ごす。
奏根はちょいちょい理亜をからかい、理亜はツッコみながら怒り、智古が宥める。
「着いたぞ」
そうこうしているうちに、十九時五十分。豪真がそう言うと、理亜は外を見てみた。
だが、横には居酒屋があるだけで、それ以外は普通の商店街だった。
「ねえ豪真さん。ここ居酒屋だよ?」
「入れば分かる」
理亜は首を傾げそう言うと、何故か豪真は少しにやけながらそう答える。
そして、中に入ってみると、至って普通の居酒屋だった。
テーブルに並べられたお酒やつまみを飲んだり食べたりしながら談笑する客たち。
上の壁には年代物の焼酎などが並べられていたりなどしていた。


コメント