クリーチャープレイバスケットボール 第十二章 波乱か? 二話

第十二章 波乱か? 二話

 「お客さん。未成年は入れないよ」

 店主の中年のおじさんが、しかめっ面でそう言う。

 「店主。焼酎二、炭酸水八だ」

 豪真は臆する事なく、淡々とそう言うと、更に険しい表情になる店主。

 「……何人分だい?」

 「五人だ」

 店主が(いぶか)しい目でそう聞くと、豪真は淀みなく答える。

 「……奥の部屋に入りな」

 店主は、何故か素の表情に戻り、豪真たちを奥の個室の部屋らしき場所に誘導する。

 そのやり取りを見ていた理亜たちは、どう言う状況なのか分からず、首を傾げる事ぐらいしか出来なかった。

 「よし。こっちだ」

 豪真は確認が取れたことで、落着すると、先導して個室の部屋に向かう。

 豪真の指示通り、付いていく理亜たち。

 見慣れない居酒屋の雰囲気にのまれながら警戒して歩く。

 個室の扉を開けると、従業員の若い女性が待っていた。

 「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

 女性は、何故かテーブルと大きめな座布団しかない部屋でどこかへ、移動させるようなそぶりだった。

 理亜たちは、何もないじゃん? と言った表情で(ちん)(ぷん)(かん)(ぷん)だった。

 すると、女性は、恥にある座布団をめくりだす。

 めくり上げた座布団の下には、何故か四角い溝があった。

 その溝を強く叩くと、独りでにゴゴゴゴッと鳴動する音を立て、畳がぱかっと開いた。

 理亜たちは何事か? と思い、その畳の開いた下を覗いてみると、そこは地下に続く(はし)()が、かけられていた。

 理亜たちは、訝しい目を(はし)()に向ける。

 「この下が会場だ。行くぞ」

 豪真が淡々とそう言うと、先に(はし)()から降り始める。

 理亜たちは少し戸惑いながらも、豪真の後に続く。

 「ねえ。こう言うのってさ、普通、階段とかエスカレーターとかエレベーターで移動するものじゃないの?」

 理亜は少しげんなりしながら言う。

 「そう言うな。こう言うアナログも捨てがたいだろ」

 「「えー」」

 メンバー全員が脱力したような声でそう言う。

 しばらく、ぐちぐち文句を言いながら(はし)()で下に降りてくと、目的地に着いた。

 開けた場所で、コンサート会場見たいに広い空間だった。

 赤い絨毯が敷かれ、天井にはシャンデリアがあり、中央には女神像をモチーフにした噴水まである。

 理亜たちは「へえー」と言いながら感心していた。

 そのまま横にいる、フロントの受付係のお姉さんの所に向かう豪真。

 「シャルトエキゾチックのメンバー登録をした、監督の神崎豪真だ」

 「神崎様ですね。お待ちしておりました。ではここに選手の皆様の名前をお書きください」

 豪真が威厳良くそう言うと、受付のお姉さんは真摯に対応する。

 そして、理亜たちは言われるがまま、名前を書いていく。

ミネルヴァ プラセンタ

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