
第十二章 波乱か? 四話
「はあー。落ち着け理亜。それより奏根。行くぞ」
「あいよ」
「え、どこ行くの?」
呆れながら豪真が宥めると、豪真は奏根をどこかに連れて行こうとして、それに疑問を持った智古が聞いてみる。
「全、八チームによるトーナメント戦。そのくじ引きがあるんだ。それにキャプテンと監督が参加し、くじを引く。正確には私は見届け人で、引くのは奏根だがな」
豪真がそう言うと、加奈が別な事を考えていた。
「と言う事は三回勝てば、クリプバで優勝出来るんですね」
「ああ」
「意外と少ないね」
「そうですね。ここまで大規模な控室なのですから、もっと参加チームが多い物かとばかり」
豪真が加奈の言葉に頷くと、理亜と高貴が意外そうな表情をしていた。
「確かに参加チームは少ないが、その分、外の世界のアマチュアやプロの試合など比較にならない質と規模だ。気を引き締めろよ」
豪真が少し、真剣にそう言うと、理亜たちは頷く。
「奏根ちゃん。くじ引きの時におならとかしたら駄目だよ」
そこで、何故か理亜が意気込んでそう言うと……。
「ふん!」
「ぶへっ!」
ブッ!
奏根は怒りを込めた拳を理亜の腹部に叩きつける。
すると、その拍子で理亜は豪快なおならが出た。
「もう! 奏根ちゃんたら!」
理亜はプンプン怒る。
「じゃあな~」
奏根は素っ気ない声でそう言うと、豪真が溜息を吐き捨て、呆れながらついていく。


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