クリーチャープレイバスケットボール 第十三章 クリプバ開幕 一話

第十三章 クリプバ開幕 一話

 その様子を呆れて口をポカンと開けたまま見る奏根と豪真。

 そして、その体たらくに耐え切れなくなった奏根がピキピキと眉間に血管を浮かばせながら、ハリセンをどこからか取り出すと、豪快に理亜の頭を叩く。

 「何しとんのじゃ! お前らは!」

 「いた!」

 奏根の強烈なハリセンに思わず飛び跳ねる様に驚き、VIゴーグルを外した理亜。

 他のメンバーたちも、奏根のハリセンで頭をシバかれたいた。

 びっくりした智古たちもゲームを中断し、VIゴーグルを外し、奏根と豪真の帰りを認識すると、頬を赤らめ、「えへへへ」と気恥ずかしそうに照れ笑う。

 「まったくお前らは。あんな事があったってのに」

 奏根は不機嫌そうにそう言う。

 「何かあったの?」

 理亜がキョトンとした面持ちで首を傾げる。

 「何かあっただと……ムキーー!」

 すると、まるで触れてはいけない毒蛇にでも触れたかのように奏根はヒステリックになり理亜の首を二の腕で占める。

 「――ぐっ、ぐるじいー!」

 理亜はたまらず苦しそうに泣き叫ぶ。

 「本当にどうしたんですか?」

 「いや、一悶着あってな。奏根は他のチームのキャプテンに触れられてほしくない所に中傷されてな」

 「「あー」」

 加奈がさり気なく豪真の元により耳打ちすると、豪真が肩を落としながら辟易と語る。

 すると、加奈と高貴と智古が、何かを察したみたいに上の空のような納得をする。

 奏根の胸を見ながら。

 「ちょっと! 何があったか知らないけど、私に八つ当たりするのは止めてよ!」

 ようやく奏根の首締めから抜け出せた理亜はプンプン怒りながら語気を強める。

 「良いかお前ら! 何が何でも一回戦は勝つぞ! 俺は修羅とかし、鬼の憑依を宿した悪鬼外道となり果てても勝つ! 分かったか⁉」

 「「は、はあー」」

 怒りのボルテージのネジが壊れたみたいに理亜たちに激怒を飛ばし、力づくで納得させようとする奏根の言葉に、理亜たちは半分ぐらい納得した見たいな感じで返事をする。

 奏根はと言うと、両手の拳を強く握りしめ膝を落とし、俯きながら「グニニニニッ」と歯を食いしばり怒りを堪えていた。

 

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