
第十四章 ラフプレーの嵐 三話
そして、選手たちはポジションに着く。
シャルトエキゾチックのジャンパーは、もちろん高貴だ。
ゼルチャートンソンチームのジャンパーは、六番の百七十三センチ程の、小太りな女。
眉毛が薄く、目つきの悪い一重瞼。髪がパープルで頭の後ろで三つ編みで結んである。
名前は安本八鹿、センターである。
他は、五番のシューティングガード、松村駒井。
百七十センチの身長にガタイもよく、鼻も高く、あまり第一印象が良く思われない一重瞼の鋭い目。髪はロン毛で、金髪だ。
十番、西川樽子。パワーフォワード。これまた恰幅の良い身体つきに、百六十八センチの女。黒髪に、常に威張り腐った態度でも取っているかのように、あまり容姿が良いとは言えない様相。
十三番、三上加津地。ポイントガード。何でここまで恰幅の良い女を選んだのか分からない、ってぐらい立て続けなガタイの良い女。身長は百六十六センチ。
短髪の黒髪にネイルが塗られた長い爪。鼻筋の溝が深く、黒ずんでいて、まるでサバイバルのベテランが参戦したかのような眼力。
腕の筋肉が発達しているのが一目瞭然だった。
そして、スモールフォワードが十五番の示唆喜多。
百七十一センチの身長に、なんだまたかよ。て言いたくなるぐらい、これまたガタイの良い女選手。
筋骨隆々でぼっこり膨れている瞼。目は潰れているんじゃないかってくらい、極めて稀な一重瞼。
オレンジの長髪に、目があるのか分からないくらい表情が読みづらい狐目。
「何だおい。こいつら全員レスラーとかラグビーに向いてそうなやつらばっかじゃん」
奏根がぼそりと口にすると、すぐ隣でマッチアップしていた駒井が分かりやすく舌打ちする。
それに対し奏根はムスッとした表情を駒井に向ける。
「……何なんだ? この胸騒ぎは」
ベンチに居る豪真は、何か不吉な気配に背中から覆われる感じがした。
何もなければいいが……


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