クリーチャープレイバスケットボール 第二十三章 思わぬ展開 八話

第二十三章 思わぬ展開 八話

 「私ですよ」

 「――銅羅?」

 銃口を向けられても表情一つ変えず、物腰良く口にする銅羅に、少し驚く豪真。

 「なんだ? 冷やかしにきたのか?」

 豪真はモデルガンを懐にしまい、怪訝な眼差しで口にする。

 シャルトエキゾチックが負けた事による、嫌味を言われるのだとばかり思いこんでいた。

 「そんなわけありませんよ。むしろ逆です」

 「ん、どう言う事だ?」

 「あなた方を称賛しに来たんですよ。白星を取った貴方たちにね」

 銅羅の言葉を聞いて、豪真は一驚する。

 「どういう意味だ?」

 「言葉通りですよ。貴方たちは勝ったんです。ゼルチャートンソンチームは不正が発覚し、勝利の切符を剝奪されたんです」

 「――なに!」

 豪真の驚き方に、理亜たちは気付き何事かと思い、急いで豪真たちの元に駆け寄る。

 「どうしたんです?」

 「いや……実は……」

 キョトンとした表情で聞いてくる加奈に対し、豪真は動揺しながら説明する。

 「――えっ! 私たちの勝ち⁉」

 豪真の説明を聞いた理亜たちは信じられない物でも目撃したかのように驚く。

 「ええ。暴行や暴言、ましてや最後のシュートはブザービーターでした。我々運営員会は、包括的な視点で総合的な判断をしたまでです」

 落ち着いて喋る銅羅に、希望の光が差し込んだ光景を目の当たりにした見たいに、目を大きく開かせる理亜たち。

 「「やったーーー!」」

 大はしゃぎで喜ぶ理亜たちは、互いにハイタッチをしたり、ハグし合っていた。

 「おめでとうございます。素晴らしい試合でした」

 銅羅は頬に笑みを浮かべながら、豪真に片手を差し伸べる。

 「……面倒をかけたな」

 少し警戒しながらも、豪真はその手を握る。

 「いえ、私たちは第三者として真っ当な判断をしたまでです。では、私はこれで」

 銅羅は淡々とそう言いながら、言いたい事だけ言って、理亜たちの控室を後にした。

 「やったね豪真さん! 私たち、勝ったんだよ!」

 「……ああ、そうだな」

 理亜は満面の笑みでそう言うが、豪真は心が少し晴れない様な面持ちで答える。

 「どうしたのです? あまり浮かない表情ですが?」

 高貴は、豪真の反応が少し気になり、首を傾げる。

 「いや、何でもない。それより、そろそろ焼き肉を食べに行こう」

 「うん! よおし。食べるぞー!」

 バツが悪そうに答える豪真だったが、あまり気にしなかった理亜たちは、気持ちを切り替え、焼き肉を食べに行く準備をした。

 ……すると。

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