
第二十五章 つかの間のキャンプ 九話
そこで、豪真は、どうしたら良いものか? と焦りながら、熟慮してる暇もなく、お尻に、導火線が着いたみたいなリアクションで、急いで室内トイレに直行する。
「ううぅー」
高貴は諦めたのか、半ベソになりながら、嗚咽を呑む様にして、しかたなく、しかたなく! 簡易トイレを使う決心を固める。
「うん♪ うん♪ これで良し♪」
それを、悪意ゼロで、微笑ましく見守る智古。
豪真は、大きな溜息を書い吐いて、トイレの下の床を、無感情で眺めていた。
言うまでもないが、高貴が、大か、小かは、理亜たちだけが知っている。
そう……盛大な爆発音が、その証拠だ……。
こうして、一波乱は幕を閉じたかと思ったが、高貴が無事に簡易トイレを使い終わる頃に、ふと、豪真は思った。
「……わたしは……どうしたら……」
豪真は、自分も簡易トイレを使用しなければいけないかと思うと、理亜たちの前でする自分を想像してしまう。
思わず、頭を抱え、絶望する豪真だった。
誰がどこでトイレをしたのかの想像は、読者の皆様方の心の中に……。
時は少しづつ過ぎ、夜中の一時まで遊びつくした理亜たち。
お風呂も、何故かドラム缶でお湯に浸かると言う、ルールも設けられたが、幸いな事に、それはお風呂場での話。
本当は、智古は庭でドラム缶風呂をやりたかったのだが、生憎の大雨でそれは中止となり、智古にとっては、苦渋の決断だった。 安楽な一時でも過ごすように、幸福に浸った理亜たち。


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