クリーチャープレイバスケットボール 第三十一章 ファール? で攻めろ 二話

第三十一章 ファール? で攻めろ 二話

 「まずいな」

 豪真が不安な様子で口にする。

 点数は七十八対八十四。

 「気にしないで! 次一本取ろう!」

 チームを鼓舞する智古。

 その思いに力強く頷く理亜たち。

 そして、加奈にボールが渡させると、オールコートでダブルチームで付かれていた加奈だったが、インサイドアウトで外側に切り込み、スローインライン付近にまで移動し、エノアと静香を引き付けると、ビハインドパスでサイドライン付近に居る奏根にパスを出す。

 奏根は、パスを受け取ると、点を取る事だけに集中していた。

 スリーポイントを狙っていた奏根。

 しかし、まさかの事態が起き始める。

 パン!

 「――え?」

 なんと、どこからか分からないが、不意に芙美が奏根の前に現れ、気付いた時には、ボールをスティールされていた。

 そのまま、芙美がスリーポイントラインからシュートを打とうとする時、加奈がジャンプシュートした芙美に向かい、跳躍する。

 誰もがブロックできると言う展開だったが、またもやボールは残像の様に加奈の手をすり抜けてしまう。

 そして、気付いた時には、右サイドのフリースローラインからシュートをし終えていた芙美。

 そのままシュートは決まり、七十八対八十六になってしまう。

 一体全体、どうなっているのか?

 すると、またもや豪真が両手を広げのけぞり、オペラ歌手が歌う曲調に合わせ、悦に入る。

 そこから、奏根が「うぜーーー!」と言ってハリセンが飛んでくると、豪真の顔面に当たる。

 「いたたた」と言いながら顔を手で摩っていると「あんた、こんな時にでもお得意のパフォーマンスしてんじゃないよ」と、どこかけだるそうに口にする一人の女性が、豪真に近付きながら口にする。

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