
第三十一章 ファール? で攻めろ 八話
芙美はスリーポイントラインにまで走ると、今度は奏根が芙美のユニフォームに触れ、偽物かどうかを見極める。
そのユニフォームは、通り抜け、幻影だと言う事が分かった奏根は、周囲を見回すと、左サイドのスリーポイントラインから、シュートを打つ芙美が居た。
智古が芙美に駆けつけ、勢いよくジャンプして防ごうとしたが、なんと、二人目の芙美のボールも、手が通り抜けてしまう。
そこで、右サイドのスリーポイントラインから、既にシュートを終えていた芙美のボールは、見事決まる。
観客たちは、大歓声を上げる。
「まさか、三人も残像を増やせるのか」
「それが限度だと思わない事だね。もしかしたら、後、四、五人まで増やせる可能性もある。これじゃ、相手チームのメンバー数は、無限に近いのかもしれないよ」
豪真が愕然とした様子で、そう言うと、隣にいた由紀子は、渋い表情で、淡々と口にする。
「まずい、まずい、まずいよ」
理亜が、額から冷や汗を流し、口にすると、去り際に芙美が「お主らの対処法が、的を得ているのは、百も承知じゃ。しかし、我の乱歩・気流は、そう易々と防げるほど、緩慢ではないぞ」と艶笑に微笑みながら口にする。
理亜は生唾をごくりと飲み込む。
どうすれば勝てるのか?
作者からのコメント
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回の話は短文で申し訳ありません。
次は新章ですので、是非楽しみにしていただけたなら幸いです。
これからもよろしくお願いします。


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