
第三十二章 エクストラロード対エクストラロード 二話
理亜は一気に加速し、ゴール下にまでドリブルして行く。
順子が迎え撃とうとしたが、順子も意識が定まらず、朦朧とするかの様な感じがして、ただ、ボー立ちしている事しか出来なかった。
そこで理亜はダンクを何事もなく決める。
「ふっ、ようやくだね」
「あ、あれは、エクストラロード」
由紀子は笑みを浮かばせ、豪真は動揺していた。
「あれだ! この前、ふしだら女が見せた、エクストラロードってやつ」
「ええ。これで、形勢が逆転するかもしれません」
奏根は信じられない物でも見るかの様に、口にすると、加奈は眩い希望の光でも見ているかの様だった。
これで点数は、八十三対九十一。
「ほう。それが主のエクストラロードか。どれ、ネタをもっと暴いてやろうぞ。そして敗北の味を知るが良い」
芙美は鋭い眼差しで理亜にそう口にすると、理亜は「私たちは負けない。全て掴み取って見せる」と力強く言う。
エノアがすぐさま芙美にパスを出す。
マッチアップする、理亜と芙美。
そこで、理亜は異能を発揮した。
芙美の意識を操るために。
しかし、芙美は、一切の影響を受けていなかった。
そのまま、乱歩・気流で、フリースローからシュートを決めようと、ジャンプする。
そこで、理亜は、ある仮説を立てるために、芙美の衣服を振れようと、手で、芙美のズボンを振れる。
しかし、その手は空振り、目の前にいる芙美が偽物だと気づく。
気付いた時には、諦めると同時に、思い当たった。
どうやら、幻影には理亜の異能の効果は発揮されないと言う仮説。
すると、左サイドのフリースローラインから芙美がジャンプシュートをし終え、そのシュートは決まる。
八十三対九十三。
「なるほど、少しづつ見えてきたぞ。主の異能の混沌を」
芙美は冷静にそう口にする。


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