クリーチャープレイバスケットボール 第三十二章 エクストラロード対エクストラロード 三話

第三十二章 エクストラロード対エクストラロード 三話

 そこからは、正に、エース同士の戦い。

 「エクストラロード同士の衝突。こればかりは、ペナルトギアの性能だけでは干渉するには無理があるね」

 由紀子が顎を摘まみながら渋い面持ちで口にする。

 智古が、理亜にパスを出すと、理亜はトップギアでドリブルして行く。

 そこで、目の前の芙美が、なんと三人もいた。

 理亜は芙美を抜こうと、異能を発揮する。

 しかし、三人とも何の変化もない。

 異変に気付いた時には、時すでに遅く、四人目の芙美が、理亜の背後から迫り、ボールをカットする。

 芙美の後を急いで追う理亜。異能を発揮しようとしたが、芙美は既に左側のフリースローラインから跳躍し、ジャンプシュートを打つ構えになる。

 その芙美にも、理亜の異能の効果がない事をすぐに確認した理亜は、その左奥のフリースローラインから、シュートを打つ芙美が居た。

 その芙美のボールをブロックしようと、理亜は急いで駆け付け、ジャンプし、ボールを叩こうとする。

 しかし、そのボールも手が空振り、またもや幻影だった。

 すると、右サイドのフリースローラインから、シュートを打つ芙美の姿があった。

 高貴は、最後に打った芙美のシュートが本物と判断し、ゴール下からジャンプしようとしたが、順子がスクリーンをかけ、そうはさせない。

 惜しくもそのシュートは決まり、これで点数は八十三対九十五。

 十点差以上離され、残り時間は三分を切る。

 「くそ! 俺もエクストラロードを使えていたら!」

 (しょう)(そう)する奏根。

 そこで、タイムアウトを取ったのは、ダイオンジチーム。

 まさかのタイムアウトに、由紀子は「良い判断だね」とぼそりと呟く。

 「どうしたんです監督? 私たちなら押してますよ?」

 聖加がキョトンとした面持ちで達樹に口にする。

 「ええ。もちろん承知の上です。ただ、流れをこちらに更に傾けるために、芙美さんから情報共有しようと思いまして」

 「なるほど。あの八番の選手のエクストラロードの能力を共有して、今以上に対策を練る。そう言う事だね」

 エノアがタオルで汗を拭きながら、思考を回す。

 「はい。そろそろ芙美さんが、八番の選手の異能を見破ってきた頃合いだと思いまして」

 達樹は真剣な面持ちで芙美を見つめる。

 「あまり過大評価されても困るのじゃがの。じゃが、二つ程、奴の礫を握った。一つは、あの力は、意識を奪うと言うよりも、意識を退化させるに近い」

 「意識を退化? 意味わかんないじゃん」

 「まあ落ち着けよ静香。話は最後まで聞こうぜ」

 淡々と口にする芙美の言葉に、頭の上にクエスチョンマークを浮かばせる静香。

 順子は静かに微笑みながら、静香を落ち着かせる。

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