クリーチャープレイバスケットボール 第四十一章 ジャスティス 五話

第四十一章 ジャスティス 五話

 「ハハハッ。相変わらず、あの二人は良いコンビですね」

 「だね。なんだかんだ言って、あの二人揃うと、バランスが取れているって言うかなんと言うか。不思議な感じがするんだよね」

 銅羅がせわしない子供でも見ているかのような笑い方をすると、代野が風船ガムを膨らませながら、腑に落ちた態度になる。

 「ピーー! タイムアウト! シャルトエキゾチックチーム!」

 ここで、タイムアウトが取られ、各々の選手はベンチに戻る。

 「うわー。強いよあのチーム」

 「特に五番の人が群を抜いている感じがするよね」

 理亜がうなだれるようにすると、聖加も賛同する。

 「まあ、嘆いても仕方ない。それよりも、向こうの十三番だが、あのエクストラロードをどう掻い潜るかだ」

 「まあ、どちらかと言うと、コモンクラスだね」

 豪真と由紀子が木佐を見ながら眉を顰める。

 芙美たちは、「お疲れ」と言って、理亜たちにスポーツドリンクを差し出す。

 「ありがと♪ ゴクゴク。――プハー! 上手い」

 理亜が帰宅帰りのОLが酒でも飲むようなリアクションを取ると、芙美たちも一安心する。

 押されてはいるが、理亜たちは挫けてはいない様だ。

 「それで監督。あちらの十三番のエクストラロードをどう攻略するか目星は付いたんですか?」

 「え、あ、いや。そのー」

 高貴が首を傾げると、反応が今一の様な感じになる豪真。

 助け舟でも出すかのように、由紀子の目を見る豪真。

 「たまには監督らしい事でもしてやんな。ホラッ、もっと自信持ちな」

 由紀子は豪真のお尻を強く叩くと、電源が入ったみたいに、ビクンとなる。

 「オホン。恐らくあの十三番のエクストラロードは、洗脳の様なものだ。理亜のヴァーチャルディメンションに似ているが異なる部分はある」

 軽く咳払いし、威厳ある面持ちで淡々と口にする豪真。

 「向こうの能力は、理亜と違い一時的な物で、言う事をきかすんだろう」

 「まあ、見た感じそうだよな。一時的で助かったぜ」

 豪真が顎を摘まみ分析する様に口にすると、少しホッとする奏根。

 「だが一時的とはいえ、敵側は五人ではなく六人目の選手が味方に付くようなものじゃ。しかも、それが不意に突かれると、尚更、オフェンスやディフェンスでも、奴のセンサーサークルに不用意には近付けまい。今分かっている事は、奴の声で洗脳にかかると言う事」

 芙美がイメージトレーニングでもしているかの様に、頭を悩ます。

 「洗脳ですか、厄介ですね。対策をしようにも、受ければ傀儡となり、かと言って受けないようにすれば、プレーに支障が出て、後手に回りますし」

 加奈もどう対処していいのか、頭を悩ます。

 「そう言えば、エノア。あんた、あの五番の技、少しは見抜いたのかい?」

 「あ! そうだった。皆、聞いて」

 由紀子が話題を変える様に、エノアに聞くと、何かを、ふと思い出したかのようになるエノア。  そして、エノアは、飛翔の、明鏡止水、抜刀に付いて、自分なりの見解を口にする。

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