クリーチャープレイバスケットボール 第六章 レッツパーティー 二話

第六章 レッツパーティー 二話

 ちょうど、奏根が料理を作り終え、テーブルに運ぼうとして来た時、理亜は加奈が描いている同人誌に興味を持ち始め、加奈の所にこっそりと向かっていった。

 「加奈ちゃん。見て良い?」

 「良いですよ。ちょうど描き終わった所です」

 珍しくシャキッとした声でそう言う加奈。

 理亜は期待に胸を膨らませ、加奈の同人誌を見てみると。

 「えっ! これ、裸で抱き合ってんじゃん! しかもヒロインの女の子、私にそっくりだし!」

 「ええ。会心の出来です。これで男性の読者を引き付ける事が出来ます。理亜ちゃんの容姿のおかげです」

 理亜は一ページづつ拝読して見てみると、途中で、ヒロインの女の子が、主人公の男性と裸で抱き合っているシーンを見て、衝撃を受けたような声を出す。

 加奈はと言うと、自身半分と感謝の半分を併せ持つように堂々とそう口にする。

 「せめてピュアなやつ描いてよ!」

 「駄目です! 私はR18しか描きません」

 理亜の熱願を拒否する加奈。

 絶対に譲らないという意思表示がヒリヒリと伝わってくる。

 「ほら、その辺にしとけ。出来たぞ」

 父親見たいなノリで料理が乗っている皿を持ってきた奏根。

 「美味しそうですわね。売れるまじかのピン芸人の最後の家庭料理みたいです。その先は富と財力で持て余すように高級料理しか口にしたくないと言う意思表示を感じますわ」

 「やめろその表現。どう聞いてもまずい飯で今まで我慢してきたみたいなイメージしかないだろ」

 高貴は頬辺りで両手をポンと合わせ、満面の笑みでそう言うと、奏根が眉を顰めて引いていた。

 「さあ食べよう」

 「は、はい」

 「ご相伴に預かろうか」

 「いただきます!」

 智古の元気はつらつの声にひかれたかのように、全員はナイフとフォーク、スプーンを使って、料理を食べ始める。

 リビングに充満する食欲誘う香りは、食(しょく)欲(よく)中(ちゅう)枢(すう)に電撃が走ったかのようだった。

 「何このオムライス! 美味しい」

 理亜はあまりの美味しさに、とろけきった表情になる。

 「一般のメニューと違って、隠し味にソースとマヨネーズを入れてるんだ。ケチャップライスはごま油を敷いたやつで、ダシ醤油を入れた卵に使うときの油は米油を使っている。どっちもごま油を使うと、味がくどくなるからな」

 「へえ」

 奏根の淡々とした説明に呆けるように話を聞く理亜。

 「このデミグラスソースも絶品だね」

 智古もオムライスに感激するかのようだった。

 「こ、この料理、凄いですね。豆腐が一丁そのままの料理です」

 「この上にかかっているタレは、なんだ? ずいぶん甘い匂いがするが」

 加奈と豪真が一丁の豆腐の匂いを嗅いで、興味をそそられるようなコメントをする。

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